介護を必要している人が介護保険制度を前提とした介護サービスを受けられるためのケアプランの作成や、必要に応じてその内容の変更・修正を行うケアマネージャー。
介護施設を利用する人ひとりひとりが適正なサービスを受けるうえで、非常に重要な役割を担っています。
一方で、介護福祉士のように実際に介護業務を担当するわけではないので、一般の介護職とは適性や求められるスキルなどに違いが見られます。
また、この資格を取得するには医師や薬剤師など専門的な資格や実務経験が求められることもあって、専門的な分野のスキル・知識が求められる印象もあります。
しかし、ケアマネージャーに求められる知識・スキルと、この職業に向いているかどうかの適性は別の話です。
スキルに関しては、ケアプランの作成に必要な介護・医療関連の専門的な知識が必要なのはもちろんですが、適性に関してはむしろ対人コミュニケーションがうまくとることができるかかもっとも重視されます。
介護保険制度にもとづいて介護サービスが提供される以上、介護を必要としている人が100パーセント満足できる環境が用意されるとは限りません。
また、そもそも利用者がどんな介護サービスを必要しているのかをあらかじめ確認したうえでケアプランを練っていく必要があります。
しかも、その課程においては介護施設はもちろん、医療機関などとも交渉したうえで適切な環境を整えていくことが求められます。
そうなると、さまざまな場面でコミュニケーションが求められますし、相手の話を聞きながら優先順位を決めていくスキルも必要になってきます。
こうした点からも、いくら専門的なスキルを備えていてもコミュニケーション力がない人は、ケアマネージャーに向いていないと言えるでしょう。